春から夏にかけて、園芸店やホームセンターを歩くと、真っ赤な花びらを大きく広げて「見て!」とでも言わんばかりに咲いているハイビスカスたち。
その生命力あふれる姿がとても好きです。
僕のところでは、毎年5月の終わりごろになると、テラスの一角にハイビスカスを並べます。朝の光を浴びながら、次々と開いては夕方にはそっとしぼむ——その繰り返しを見守るのが、夏の日課のようになっています。
鮮やかな赤やピンク、黄色の花が風に揺れるたびに、少しだけ南の島の風を感じるようで、たとえ家のベランダでもリゾートの気分に浸れるんです。
ハイビスカスのシーズンももう終わりかけですが、最後まで元気な笑顔を見せてほしいと思っています。そしてまた来年の夏を楽しみに待つ、自分の気持ちも膨らみます。
そんなハイビスカスの魅力を、今回はその特徴や歴史、花言葉まで深くご紹介していきます。
一日だけの華やかな命を持つ花が、こんなに人の心を惹きつけるとは、改めて感動させられますよ。
ハイビスカスとは?南国を感じさせる常緑の低木
ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属に分類される常緑性の低木で、学名はHibiscus rosa-sinensis。和名は仏桑花(ぶっそうげ)と呼ばれています。
原産はアフリカのサハラ以南や熱帯地域で、現在はハワイ諸島や東南アジアをはじめ世界中の温暖な地域で栽培されています。(原産は東南アジアという説もあり)
花の特徴:一日限りの美しさ
ハイビスカスの花は「一日花」。朝咲いて夕方にはしぼみますが、毎日新しい花が咲くため、長い間楽しめます。
花の大きさは5cmから20cm以上までさまざまで、赤・ピンク・黄・白・オレンジ・紫など色鮮やかで多彩です。
特徴的なのは、雌しべが雄しべより長く伸び、華やかで南国らしい印象を与えます。
名前の由来と文化的背景
「ハイビスカス」という名前は、古代エジプトの美の女神Hibis(ヒビス)と、ギリシャ語の「似ている」を意味するiskoが合わさった言葉に由来します。
ヒンドゥー教の神事やハワイのフラダンス、レイの材料としても用いられる、古くから神聖な花とされてきました。
色別の花言葉
| 色 | 花言葉 | 意味の背景 |
|---|---|---|
| 赤 | 勇敢 | 太陽のような力強さを象徴 |
| ピンク | 華やか・優しさ | 女性らしい柔らかな美しさを表す |
| 白 | 純粋・艶美 | 清らかで優美な印象 |
| 黄 | 輝き・幸福 | 明るく陽気なイメージ |
| 橙 | 新しい恋 | 次々に開く花の様子が恋の始まりを示す |
全体的には「繊細な美」「新しい恋」「信頼」「勇気」などを意味します。
育て方のポイント
ハイビスカスは日光を好みます。日当たりと風通しの良い場所で育てるのがコツです。
夏はたっぷり水を与え、冬は寒さに弱いので室内管理が推奨されます。咲き終わった花はこまめに摘み取ると新しい花が長く楽しめます。
肥料は春から秋の成長期に(月2回の液体肥料など)適切に与えましょう。
ハイビスカスティーの健康効果
花の萼を乾燥させたハイビスカスティーは、クエン酸やアントシアニンが豊富で美容や疲労回復に効果的とされます。冷やして飲むと夏の暑さ対策にもぴったりです。
まとめ
ハイビスカスは、一日限りの儚い命を持ちながら、見ている人を元気づける太陽の花。
南国の風を感じさせるその鮮やかさは、古代から世界中で愛されてきた理由がよくわかります。
育てる楽しみも大きく、毎年夏の訪れを心待ちにできる花です。
今年も最後まで元気な笑顔を見せてくれるハイビスカスとともに、来年の夏も楽しみにしてみてはいかがでしょうか。


