はじめに:香りとともに伝わる心
寒い日本の冬、南国の風を思い出させてくれるのが「レイ」。
旅行で受け取ったことがある人も多いと思いますが、
実はその一つひとつに深い意味が込められています。
今回は、ハワイのレイ文化を少し掘り下げて紹介します。
レイの事をもっともっと深く知りたくなり調べて見ました。
第1章:レイは“飾り”ではなく“言葉”
ハワイでは、レイは言葉を超えた想いの表現です。
誕生日、卒業式、別れ、再会──すべての場面でレイが贈られます。
花をつなぐ行為そのものが「ALOHA(愛・思いやり・調和)」の精神を象徴しています。
🌼 象徴的な花の意味
| 花の種類 | 意味・象徴 | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| プルメリア | 優しさ・友情 | 日常の贈り物に |
| オーキッド | 気品・感謝 | 卒業式や記念式典 |
| チューブローズ | 愛情・情熱 | 結婚式 |
| ティーリーフ | 守護・幸運 | 儀式や祈りの場 |
| ピカケ | 誠実な愛 | プロポーズや特別な贈り物 |
第2章:古代ハワイのレイと神聖な儀式
古代ハワイでは、レイは神々への供物でした。
戦士が戦いの前にティーの葉で作ったレイを身に着け、
カフナ(神官)が自然への祈りを込めて花や葉を編みました。
レイを編むこと自体が「祈り」でもあり、
編むリズムがオリ(詠唱)やフラと同じく“心の浄化”の役割を果たしていたのです。
第3章:現代に生きるレイの文化
今日でも、ハワイでは**「レイ・デイ」(Lei Day)=5月1日**に
街中が花の香りで満たされます。
子どもたちは自分で作ったレイを身につけ、コンテストやパレードが行われます。
また観光客へのウェルカムレイも、
“ようこそ”というだけでなく、
「あなたがハワイの家族の一員になった」という意味を持っています。
第4章:レイを贈るときのマナーと心構え
- レイは首の前で切らず、相手の肩にそっと掛ける
- 贈られたら断らない(愛情を受け入れるという意味)
- 枯れたらゴミ箱ではなく、自然に還す(庭や海へ)
こうした行為のひとつひとつに、
ハワイの“自然を敬い、命を循環させる文化”が宿っています。
🌸まとめ:花に宿る「ALOHA」の心と、日本人のイメージとの違い
多くの日本人にとって、レイは「歓迎の首飾り」「観光客へのおもてなし」の象徴として知られています。
空港やホテルで首にかけてもらう、あの華やかなシーンを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし実際のハワイでは、レイは歓迎だけではなく、祈り・感謝・友情・愛情・別れなど、人生の節目をつなぐ神聖な贈り物です。
その一つひとつには、贈り手の想いと「ALOHA(愛と敬意)」の精神が込められています。
そして何より大切なのは、レイを受け取ったとき、相手に“ありがとう”と感謝を伝えること。
それはハワイの人々にとって最高の返礼であり、心が通い合う瞬間です。
レイは単なる飾りではなく、人と人を結ぶ“心のリボン”。
その意味を知ることで、次にハワイを訪れるとき、きっとレイの温もりをより深く感じられるでしょう。

